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2019年10月27日(日)、大阪の泉大津フェニックスで開催されたイベント『ワールドモト』で、ホンダ X-ADVに試乗しました。
公式サイト:ワールドモト
X-ADVはホンダから発売されたビッグスクーターです。
ビッグスクーターといっても、従来のものとは大きく異なり、ビッグスクーターとアドベンチャーバイクを融合させたような外観をしています。

とはいえ、公道や試乗会で見かける機会が少ないため、「X-ADVってどんなスクーターなんだろう?」と人もいるのではないかと思います。
そこで今回は、X-ADVに試乗した感想を書いてみました。
・バイク選びで迷っている人
・ホンダ X-ADVに興味がある人
の参考になれば幸いです。ぜひご一読を。
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至れり尽くせりの豪華装備の数々
突然ですが、あなたはビッグスクーターに対してどんな印象を抱いていますか?
一昔前、ビッグスクーターが流行っていた時期がありました。
ひょっとしたら、あなたも自動二輪の教習で乗ったかもしれませんが、自動車学校の教習車として採用されているのも「その時代のビッグスクーター」が大半です。
かくいう私も教習で「その時代のビッグスクーター」に乗ったことがあるので、はじめてX-ADVを見たときはビックリしました。
豪華なんです。装備がメチャクチャ豪華なんです。
なんというか「いくらなんでも、この装備はやり過ぎなのでは?」と思えるくらい豪華なんですよ。

・前世代のビッグスクーターとは比べものにならないほどのメーター周り
・アドベンチャーバイクにも採用されているブレーキキャリパー
・至れり尽くせりの電子制御
・はじめから装備されているグリップヒーター
・キーを毎回取り出さなくても、エンジンを掛けたりハンドルロックが可能な「SMART Keyシステム」
etc・・
と挙げ出したらキリがないのでこの辺にしておきますが、とにかく「至れり尽くせりのビッグスクーター」であることが分かります。
正直な話、「これ全部使いきれるの?」って思うのですが、それはまあ、野暮と言うものですね(笑)

ホンダ公式サイト:X-ADV
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バイクに乗っているとは思えないほどのラクさ
さて、また「その時代のビッグスクーター」の話をします(「また?」と思わずに聞いてくれれば幸いです(笑))。
言い方に語弊があるかもしれませんが、当時のビッグスクーターはそこまで乗りやすい乗り物ではありませんでした。
変に車体が大きいためか押し引きも大変でしたし、お世辞にも曲がりやすいとは言えませんでした。

そのためか、(MT車の教習で)ビッグスクーターに乗った直後にMT車に乗って「あ、MT車の方が乗りやすいじゃん」って感想を抱いた人も、思いのほか多いのではないかと思います。
世間では(特に、バイクに乗ったことがない人にとっては)「MTよりATの方がラク」という印象がありますが、バイクもそうなのかというと甚だ疑問なんですよね。
もっとも、これは私個人の感想なので、あなたにも当てはまるかは分かりませんが。

で、X-ADVもそうなのかというと、見事に予想を裏切ってくれました。
たしかに、X-ADVは重量が238(kg)もあるため、お世辞にも軽いとはいえません。
ですが、実際に押し引きしてみると、そこまで「重い」と感じませんでした。
なんというか、MTのリッターバイクを押し引きしているのと大して変わらないんですよね。


実際に乗ってみると、これまた扱いやすくて感心しました。
まず、従来のビッグスクーターよりもハンドルの位置が高いためか、リラックスした体勢で乗ることができます(何も考えずにボケーっと乗るのは論外ですが)。
また、排気量が745ccもあるためか、発進や加速に余裕が感じられます。

それと印象的だったのが、ビッグスクーターにしては曲がりやすいことです。
さきほども少し触れましたが、従来のビッグスクーターってそこまで曲がりやすくなかったんですよ。
そのため、X-ADVに乗る前は「まあ、そんなに曲がりやすいバイクじゃないんだろうなぁ」と勝手に想像していました。

ですが、X-ADVは軽快に曲がってくれます。
もちろん、他のMT車ほどではありません(あくまで個人的な感想です)が、これだけ曲がりやすかったら「峠の山道」や「海沿いの道」でも難なく曲がれるのではないでしょうか。
しかも、それでいてスクーターの強みでもある「ラクすぎる乗車姿勢」で運転できるのですから、「ATとかMTとかどうでもいいから、とにかくラクにツーリングしたいんだ」って人には、ある意味理想のバイクなのかもしれませんね。

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まとめ
以上、ホンダ X-ADVに試乗した感想でした。
ここまで述べてきたように、X-ADVは「MTとかATとかどうでもいいから、とにかくラクにツーリングしたいんだ」って人にとっては理想の1台になり得ます。

ですが、そこまで普及するかといえばそうではないような気がします(というか、実際普及していません)。
その一因となっているのは、おそらく「価格」です。
X-ADVは至れり尽くせりの豪華装備ですが、そのせいか価格が新車で「130万円前後」と、お世辞にも低いとはいえません。
いくら豪華装備てんこ盛りとはいえ、「ミドルクラスのビッグスクーターに、リッターバイクが買えちゃうほどの大金を出せますか?」って言われると、正直微妙なんですよね。
とはいえ、X-ADVだけが特別高価ってわけではありませんし、他のミドルクラスのバイクだって似たようなものなんですけどね。

ヤマハ公式サイト:TMAX530
また、メーカーはX-ADVのことを「オフロード走行もできるビッグスクーター」のように宣伝しています。
ですが、本当にオフロード走行ができるかどうかは甚だ疑問です。
たしかに、従来のビッグスクーターよりはオフロード寄りではあります。
少なくとも、ちょっとした砂利道を走るくらいだったら問題ないでしょう。

ですがよく考えてみてください。
車体がそれなりに大きく、重量が238(kg)もあるバイクを気軽に引き起こすことができるでしょうか?
また、X-ADVは(私の見る限りだと)オンロード寄りのバイクです。
CRF250Lやセローをはじめとするオフロードバイクのように、何回も何回も転ぶことを想定して作られているようには見えません。

あなたもご存じの通り、オフロード走行は「滑って当たり前、転んで当たり前」の世界です。
コーナーを曲がるときだけではなく、ただ直線を走っているだけでもタイヤが滑って転倒・・なんてことは日常茶飯事です。
そんな場所を、はたしてこのバイクで本当に走れるのでしょうか?少なくとも、私にはそう思えません。

いちおう、スクーターでオフロードを走るイベントは存在します。
ですが、X-ADVのようなスクーターで走るイベントを調べてみても見つかりませんし、実際に「オレ(ワタシ)、ビッグスクーターでオフ走ってるよ!」って人も見たことがありません。
もっとも、実は知られていないだけで、ひょっとしたら世界には「ビッグスクーターでオフロード走行をしている猛者(変態)」がいるのかもしれませんが。

とはいえ、ここまで述べてきたのは、あくまで私個人の感想です。
あれこれと述べてきましたが、X-ADVは「至れり尽くせりのスクーター」であるのも、紛れもない事実です。
X-ADVが気になるのであれば、実物を見てみてください。そして、可能であれば試乗してみてください。
雑誌やネットの記事や他人(私を含む)の言うことを鵜呑みにせず、実際に「自分自身の目」で確認してみてくださいね(ひょっとしたら、オフロード走行も十分こなせるスクーターなのかもしれませんよ?)。
それでは、あなたにとって「最適の1台」が見つかることを祈って。

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