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2020年10月、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース最終戦の試乗会でカワサキ Ninja ZX-25R SEに試乗しました。
Ninja ZX-25R SEはカワサキの中型バイクで、20年以上の時を経て復活した250ccクラスの四気筒車として2020年にリリースされて注目を浴びました。
そのせいなのか、「Ninja ZX-25R(SE)って、どんなバイクなんだろう・・?」って人も多いのではないかと思います。

そこで今回は、カワサキ Ninja ZX-25R SEに試乗した感想をまとめました。
・バイク選びで迷っている人
・カワサキ Ninja ZX-25R(SE)に興味がある人
・「250cc四気筒車のバイクって面白いの?」って思っている人
の参考になれば幸いです。ぜひご一読を。
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車体がコンパクトで軽い
Ninja ZX-25R SE(以下、ZX-25R)は四気筒車です。
それゆえに「四気筒車ってことは、シリンダーが4本もあるってことだよね?ってことは、ZX-25Rは(車体が)大きくて重いバイクなのでは・・?」と不安になる人もいるのではないかと思います。

たしかに、単気筒車や二気筒車の250ccクラスと比較すると車体が大きくて重いのは事実です。
現に、ZX-25Rの重量は184kgですからね。
ですが、それはあくまで「250ccクラスにしては」という話です。
実際にZX-25Rを間近で見てみると「あれ、他の250ccクラスと大して変わらないじゃん・・」と思うでしょうし、実際に(スタンドを払って)押し引きしてみると「なんだ、フツーに軽いじゃん・・」ってのが分かります。

これだけコンパクトで軽かったらツーリングやワインディングはもちろんのこと、通勤・通学・ちょっとした買い物をはじめとする「日常の足」にすることも十分可能でしょう。
正直な話、シリンダーを4本収めているにもかかわらず、これだけのコンパクトさと軽さを実現できたのはスゴいなぁと思います。いや、ホントに。

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足つきが良くてポジションが(ものすごく)ラク
ZX-25Rはシート高が785mmと低く、シートの幅も広くありません。
それゆえに「地面に足が着かない・・」なんてこともないでしょう。

参考までに、教習車として有名なホンダ CB400のシート高は755mmです。
そう考えると「ZX-25Rのシート高がどれだけ低いのか」は大体想像できるかと思います。
もっとも、ZX-25Rは(重量が200kgを超えているCB400と違って)軽いので、CB400よりも(はるかに)足で支えやすいのですが。

ZX-25Rはセパハン(セパレートハンドル)のバイクです。
それゆえに「セパハンってことは、乗車姿勢はキツい前傾姿勢になるのでは・・」と不安になる人もいるかもしれません。
ですが、実際に跨ってハンドルを手にしてみると「これ、本当にセパハンのバイクなんだよね?」って疑いたくなるほど乗車姿勢がラクです。

実際に跨る前まではGSX-R1000やYZF-R1みたいな乗車姿勢を想像していましたので意外でした。
正直な話、これだけラクだったらツーリングやワインディングはもちろんのこと、通勤・通学・ちょっとした買い物をはじめとする「日常の足」としても活躍するだろうなぁと思います。
さきほども言った通り、「車体がコンパクトで軽い」という特徴もありますからね。

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発進は250ccクラスなみ、なんだけど
ZX-25Rの発進は他の250ccクラスと大して変わりません。
実際にクラッチを繋いで発進してみると「けっして遅いとは言わないけど、まあ、単気筒車や二気筒車とそんなに変わらないよね」ってのが分かりますし、フツーにクラッチを繋げば穏やかに発進できるかと思います。

ただ、発進は穏やかでも(エンジンの)回転数が上がれば途端に速くなります。
単気筒車や二気筒車は回転数が上がっても比較的穏やかに加速しますが、ZX-25Rは回転数が上がると(近年の250ccクラスとは思えぬほど)鋭い加速をします。
それゆえに、ある程度の自制心が保てないと危ないですし、それこそ何も考えずにガバガバとアクセルを開けちゃうような人は乗らない方がいいと思います。危ないですから。

それと、もう一つ注意するべきことがあります。
ZX-25Rのフロントブレーキはガクン!と効くタイプのものです。
そうですね、他のバイクでたとえるのであれば、スズキ GSX-R1000をはじめとするSS(スーパースポーツ)のフロントブレーキみたいなものだと言えば想像できるでしょうか。
少なくとも(近年の)他の250ccクラスと同じ感覚で掛けることはできませんし、それこそ「可もなく不可もなく、じわっと効くブレーキだろう」だと思っているとガクン!と前につんのめって転倒・・なんてことになるかもしれません。
もっとも、それは(ほんの少しでも)フロントブレーキを掛ければイヤでも理解できますし、「そういうブレーキ」だと分かっていれば自ずと慎重になると思いますが。

とはいえ、加速に関しては最低限の自制心さえ保てればそこまで神経質になる必要もありません。
フロントブレーキに関しても走っているうちに徐々に慣れてきますし、それこそ「この先に、どんな危険が潜んでいるのか?」を意識しながら走れば自ずとそれに見合った操作ができるようになりますので、やっぱりそこまで神経質になる必要もないかと思います。
それに、ZX-25Rは
・振動が少ない
・エンジンの回転が滑らか
・低回転域でも粘ってくれる
といった「四気筒車ならではのメリット」がありますので、最低限の自制心と危険予知能力さえあれば楽しく走れますから。

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曲がる、曲がる、とにかく曲がる
実際に見てみれば分かりますが、ZX-25Rは同メーカーのZX-6RやZX-10Rのような見た目をしています。
それゆえに「ZX-25Rって曲がりやすいバイクなのかな?」と期待する人も少なからずいることでしょう。

率直に申し上げると、ZX-25Rは曲がりやすいバイクです。
実際に乗ってみると分かるのですが、特別に何もしなくても(※本当に何もしていないわけではなく「コーナーの先に顔を向ける」「ステップに荷重を載せる」といった基本的なことしかしていない、という意味です)クネクネ曲がります。

ここまでクネクネ曲がれると、かえって「こんなにラクして曲がれちゃっていいのかな?」と思うかもしれませんが、それだけZX-25Rが曲がりやすいバイクだということでもあります。
もっとも、「何もしなくてもクネクネ曲がれる」ということは、乗り手が「オレ(ワタシ)は上手いんだ!」と錯覚してしまうおそれもあるので(加速やフロントブレーキと同様に)注意が必要なのですが。

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まとめ
以上、カワサキ Ninja ZX-25R SEに試乗した感想でした。
Ninja ZX-25R SE(以下、ZX-25R)の特徴を大まかにまとめると
・車体がコンパクトで軽い
・足つきが良い
・ポジション(乗車姿勢)がラク
・加速は穏やかだが、回転数が上がると途端に速くなる
・フロントブレーキがガクン!と効く
・振動の少なさ、回転の滑らかさ、低回転域での粘りといった「四気筒車ならではのメリット」がある
・ものすごく曲がりやすい
といった感じになります。
他にも
・ヘルメットロックが付いている
・テールに(ネットフックを引っ掛けるための)フックが付いている
といった特徴もあるので、ツーリングやワインディングはもちろんのこと、通勤・通学・ちょっとした買い物といった「日常の足」としても活躍できる1台だと思います。


ZX-25Rは250ccクラスにしては高価ですが、実車を見たり試乗した後だと「これほどのクオリティでこの価格だったら、むしろ安いのでは?」と思えるほどの性能と作り込みです。
それゆえなのか、ZX-25Rはものすごく売れています。
現に、2020年11月時点では仮に欲しくてバイク屋さんに注文しても「メーカー側が注文を受け付けていない」ほどだそうです(※バイク屋さん談)。

こう言うとあなたもZX-25Rが欲しくなるかもしれませんが、誰にでもおすすめできるバイクなのかと言われると懐疑的です。
正直な話、免許取りたての人がいきなり乗るのはおすすめしませんし、それこそある程度「バイクの基本」が身に付いている人じゃないと危ないと思います。
さきほども言った通り「250ccにしては速い」「フロントブレーキがガクン!と効く」「何もしなくても曲がれてしまう」といった特徴もありますから。

さらに忘れてはいけないのが、ZX-25Rが四気筒車だってことです。
四気筒車はシリンダーが4本あります。
シリンダーが4本あるってことは、それだけ整備に掛かるコストも(単気筒車や二気筒車より)高くなるってことなので、仮にZX-25Rを購入するのでしたらそれも念頭に置いておいた方がいいと思います。
特に250ccクラスは車検が無いがゆえに「車検がない」を「整備しなくてもいい」と勘違いしている人も少なくありませんので。


率直に申し上げますと、ZX-25Rは(排気量問わず)数あるバイクの中でも「これは欲しい!」と思えるほどの良車です。
とはいえ、この記事を読んだだけでZX-25Rの良さがすべて伝わるとは思いません(というか、こんな記事読んだだけで伝わるんですか?)し、それこそ本当にZX-25Rのことが知りたかったら実物を間近で見る(可能であれば試乗する)しかないと思います。

というわけで、もしZX-25Rに興味があるのであれば実物を見てみてください。そして、可能であれば試乗して「あなたの視点」からZX-25Rを確認してみてください。
それでは、ZX-25Rを見たり跨ったり試乗する際は「立ちゴケ」「走りゴケ」無きようお気をつけて。

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