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バイクは消耗部品のかたまりです。
しかも、それらの部品は徐々に消耗していくため中々気づかず、何もせずに放置していたら壊れていた、あるいはそれが原因で事故が起こるかもしれません。
そうならないためにも、バイクに乗る度に日常点検をして「何かおかしいところはないかな?」を見る必要があるわけですね。
とはいえ「日常点検って言われても、どこを見ればいいのか分からない・・」「そういえば教習所で習ったような気がするけど忘れた・・」って人も多いのではないかと思います。
そこで今回は、バイクの基本の日常点検の項目をまとめました。
実際にやってみれば分かりますが、難しいことは何一つありません。
基本的に「見る」「聞く」「触る」で済みますし、それこそ取扱説明書を読めば分かることばかりですから。
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燃料
当たり前の話ですが、バイクは燃料がないと走れません。
走行前に「十分な量のガソリンが入っているかな?」を確認しましょう。
こう言うと「何かと思えば、燃料切れの心配かよ・・」って思う人もいるかもしれません。
ですが、燃料切れはJAFの出動理由(2023年度)の中でも一般道路では7位に、高速道路では2位にランキングされています。
最近のバイクは燃料計が付いているものが多いため確認が疎かになりやすいですが、それらが故障したらお手上げになってしまうので面倒くさがらずに確認しておきましょう。
自宅まで押して帰れるなら話は別ですが、そんな状況は滅多にないでしょうから。
オイル
エンジンにオイル点検窓がありますよね?
点検窓を覗いて「オイルが白濁していないか?」を確認しましょう。
もし、オイルが白濁して(コーヒー牛乳みたいな色になって)いたら、内部で冷却水が漏れて混入している可能性がありますので、速やかに修理してください。
それと「オイルは適量かな?」も確認しておきましょう。
オイル漏れがなければFとLの範囲内に収まっているはずです。
もし、オイルが急激に減っている(FとLの範囲内ではない)場合はオイルが漏れている可能性がありますので、オイル点検窓を覗くときは同時に地面も見るクセを付けておきましょう。
車輪(タイヤ)
タイヤに空気が入ってないとバイクは走れません。
また、ヒビ割れやスリップサインが出ているタイヤは要交換です。
釘やネジが刺さっているタイヤに至っては、もはや言うに及ばずですよね?
前後のタイヤを見て「ヒビ割れはないか?」「スリップサインは出ていないか?」「異物は刺さっていないか?」を確認しましょう。
また、タイヤは「見る」だけではなく「触る」も同時に行うことをおすすめします。
タイヤを指で押せば、空気が十分入っているかどうかも確認できますし、それこそ異物が刺さっていなければ指で押した程度では凹みません。
逆に言うと、指で押した程度で凹むということは、空気が入っていない、あるいは異物が刺さっている可能性があるわけです。速やかに対処しましょう。
※余談ですが、先ほど取り上げたJAFの出動理由(2023年度)の中では「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」が、一般道路では2位、高速道路では1位になっています。ご注意を。
チェーン・スプロケ
もし、あなたのバイクがチェーンドライブ方式である場合は「チェーンの遊び量は適正か?」「錆びていないか?」「固まっていてまっすぐにならない箇所はないか?」を確認しましょう。
これらは目で見るだけで確認できますし、それこそこまめに清掃・注油していれば錆びたり固まったりすることはありません。
ですが、チェーンの遊び量に関しては目で見るだけでは分かりませんので、指でチェーンを押してみましょう。
※チェーンに触れるときは、必ずエンジンを切りましょう(もし、ギアが入ってチェーンが動いたら、指が巻き込まれます。ご注意を)。
ホントのことを言うと、指でチェーンを押すときは「タイヤを回しながら数ヶ所で確認する」のが理想です、が、確認するのは1ヶ所で十分です。どの道、毎回乗る度に点検箇所がずれますのでね。
また、チェーンの確認と同時に、スプロケットも確認しておくことをおすすめします。
チェーンは使っているうちに消耗(摩耗)しますが、その相方(?)のスプロケットも摩耗します。チェーンを確認するのと同時に「スプロケットの歯が細くなってないか?」を見ておきましょう。
もっとも、日頃からマメにチェーンを清掃・注油していれば(たとえば、ノコギリみたいに)細くなることはありませんが。
ブレーキ
ブレーキのトラブルは命に関わります。
「ブレーキフルードは濁っていないか?適量か?」「ブレーキパッドはすり減っていないか?」「そもそもちゃんとブレーキ効くのか?」を必ず確認しましょう。
エンジンオイルと同じように、何も異常がなければブレーキフルードが白濁したり急激に減ることはありません。点検窓を覗いて確認してみましょう。
それと、ブレーキパッドが摩耗限界線まですり減っていたら必ず交換しましょう。
ブレーキパッドを交換すると部品代と工賃が・・って人もいるかもしれませんが、ブレーキのトラブルは命に関わります。
ブレーキパッド代と工賃をケチったはいいけど、そのせいで自分や他人を事故に巻き込んだ・・なんてことになったら元も子もありませんのでね。
クラッチ
クラッチ本体はエンジンの中にあるので見ることはできません。
ですが、レバーやフルード(※油圧式クラッチの場合)は見ることができます。
「クラッチフルードは濁ってないか?適量か?」「ちゃんとレバーを引けるか?」「レバーを握ったらクラッチが完全に切れるか?」「逆に、放したらクラッチが完全に繋がるか?」を確認しておきましょう。
ブレーキフルード同様、何も異常がなければクラッチフルードが白濁したり急激に減ることはありませんので、クラッチレバーを引くのと同時に点検窓も覗いておきましょう。
なお、クラッチフルード云々というのは(ワイヤー式クラッチではなく)油圧式クラッチの話です。
もし自分のバイクが(フルードのリザーバータンクの有無で判別できると思いますが)どっちなのか分からない場合は、取扱説明書を読んで確認しましょう。
灯火類
灯火類とはヘッドライト、テールランプ、ブレーキランプ、ウインカー、ナンバー灯のことです。
暗くなってからこれらが付かないことに気付いても遅いので、バイクに乗る前に「灯火類は点くかな?」を確認しましょう。
テールランプ、ブレーキランプ、後ろのウインカーは「壁に反射させる」「手をかざす」といった方法で確認できます。面倒くさがらずに確認しておきましょう。
それと、見落としやすいのがナンバー灯です。
こればっかりは直接覗き込むしかありませんので(面倒くさいと思いますが)後ろに回り込みましょう。
バッテリー
バッテリーといっても、わざわざシートやカバーを外して直接バッテリーを見る必要はありません。
スタータースイッチを押して「セルモーター(キュキュキュキュって音がする、あれです)が元気よく回るかな?」が確認できれば大丈夫です。
あれ、スタータースイッチ押してるのにエンジン掛からない???・・ってときは、落ち着いて視線を上げてみてください。キルスイッチが押されていませんか?
当たり前の話かもしれませんが、キルスイッチが押されているとエンジンが掛かりません。
整備するときに押していたのを忘れていた、駐輪場に停めていたときに誰かがイタズラで押した(ホントにこういうイタズラをする人がいる)ということも考えられますので、エンジンが掛からないときはキルスイッチも見ることをおすすめします。
エンジンが掛からないと「バッテリーやセルモーターが原因では?」と考えがちですが、真の原因は意外なところに潜んでいるのかもしれませんよ?
ネジ類の締まり
締まりといっても「ネジをギュウギュウに締めなさい!」という意味ではありません。
何かというと締まりの確認、つまり「緩んでいるネジはないかな?」を確認するってことです(間違っても、緩んでもいないネジをギュウギュウに締めないでください)。
とはいえ、外から触れることができるネジだけでも百以上ありますし、それこそ毎回すべてのネジを確認することはできません。
そこで日常点検では車軸、ブレーキキャリパー、サイレンサーステー、スプロケットといった緩みやすい箇所のネジだけ確認すれば十分です。
もっとも、これらのネジだってそうそう緩むことはありませんし、それこそチェーンの清掃・注油の際についでに確認する・・くらいで十分ですが、念のために。
※スプロケットに触れるときは、必ずエンジンを切りましょう(もしギアが入ってスプロケットが動いたら、指が巻き込まれます)。
冷却水
あなたのバイクが水冷エンジンの場合、冷却水の確認も必要です。
冷却水のタンクは、必ず点検できるような場所に設置されていますので「冷却水が減っていないか(目盛りの範囲内まで入っているか)?」を確認しましょう。
エンジンオイルやブレーキフルードと同じように、何も異常がなければFとLの範囲内に収まっていますし、それこそ目で見るだけで確認できますから。
自分のバイクの冷却水のタンクがどこにあるか分からない・・って人は、取扱説明書を読みましょう。
SS(スーパースポーツ)やメガスポーツのようにカウルで覆われているバイクでも、点検できる場所に設置されていますので。
サスペンション
サスペンションとは、フロントフォークとリアショックアブソーバーのことです。
「オイル漏れはないか?」「ダストシールにヒビが入ってないか?」を目で見るだけなのですぐに終わります。
仮にオイル漏れがなかったとしても、ダストシールにヒビが入っていたら要修理です。
ダストシールにヒビが入っているってことは、内部に異物が混入している可能性があります。
仮に今オイル漏れがなかったとしても、いつかはオイル漏れ、またはそれが原因で事故に巻き込まれるかもしれません。
フロントフォークをオーバーホール(分解・整備)すると部品代と工賃が・・って思うかもしれません。
ですが、オイルが漏れる→フロントフォークを伝ってブレーキパッドやディスクローターに付着する→ブレーキが効かない、または転倒・・なんてことになったらもっともっと面倒なことになりますのでね。
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最後に
以上、バイクの基本の日常点検の項目でした。
なんか確認する項目が多いなぁ・・と思うかもしれませんが、タイヤの空気圧まで測らないのであれば「見る」「聞く」「触る」だけで済みますし、特に異常がなければ5分ほどで終わります。
他にも挙げるのであれば「警告灯が付いてないか?」があります。
電子制御が付いているバイクは、その機能に異常が起こったことを知らせる各種の警告灯が付いています。
また、電子制御が付いていないバイクでも油圧警告灯(油圧インジケータライト)が備わっている場合がありますので取扱説明書で確認しておくことをおすすめします。
もっとも、これらはメーターを見れば分かりますし、それこそメーターを見ない人なんていないと思いますが。おそらくは。
実を言うと、これらのことは取扱説明書に書いてあることばかりです。
今の時代、何でもかんでもネットで調べたがる人も多いと思いますが、一度は取扱説明書をじっくり読んでみてはいかがでしょうか。
ネットの情報は嘘か真か分からないものが多く、そんな情報を鵜呑みにしてバイクを壊したり事故に巻き込まれたら元も子もありません。
そうならないためにも、まずは自分の目でじっくりと取扱説明書を読み、そのうえで自分のバイクの日常点検を行いましょう。
結局のところ、自分のバイクの日常点検をして「何かおかしいところはないかな?」を見つけてあげられるのは、自分(つまり、あなた)しかいないんですから。
それでは、この辺で。
あなたが今日も明日も明後日も、あるいはその後もずーっとバイク生活を満喫できますように。
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