バイク選び

バイク初心者にリッターSSをおすすめしない理由

スズキ バイク リッターSS スーパースポーツ GSX-R1000 メタリックマットブラック

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突然ですが、あなたはリッターSS(スーパースポーツ)に対してどんなイメージがありますか?

リッターSSに対するイメージは人それぞれかもしれません。

ですが、ほとんどの人は「サーキットでレースしているバイク」「速くて軽くて曲がりやすいバイク」と思っているのではないかと思います。

鈴鹿8耐 リッターSS おすすめできない

速い。軽い。曲がりやすい。

これだけ聞くと、リッターSSは乗りやすそうなバイクのような気がするかもしれません。

ですが、リッターSSは初心者におすすめできるバイクではありません。

こう言うと「え、なんで?軽くて曲がりやすいバイクなんでしょ?」と思う人もいるかもしれませんね。

そこで今回は「なぜ初心者にリッターSSをおすすめできないのか?」の理由をまとめました。

特に

・「大型二輪免許を取得してリッターSSに乗ろう」と思っている人

・バイクに乗り始めてから日が浅い、または公道をまともに走ったことがない人

・「自分は事故らないから大丈夫」と思っている人

には、ぜひ読んでほしいと思います。

事故った後に後悔しても、もう手遅れですから。いや、本当に。

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メチャクチャ速い

リッターSSは速いです。

メチャクチャ速いです。

アクセルをほんの少し開けただけで(ものすごい)加速をします。

そういう理由から、他のバイクよりも繊細なアクセル操作が求められます。

もっとも、はじめから上手にアクセルを操作できる人なら話は別ですが。

あおぶさ
あおぶさ
試乗会でリッターSSに乗っている人を見ると、発進や加速の度にガクガクしている人がいますね・・・
スズキのスポーツバイクのGSX-R1000Rに人が跨っている様子

そんなバイクに初心者(バイクに慣れていない人)が乗って公道を走ること自体が危ないというのは、誰でも想像できるのではないかと思います。

リッターSSに乗る前に、まずはバイクの操作に慣れましょう。

リッターSSに乗るのは、他のバイクで「バイクの基本」を覚えてからでも遅くないですから。

あおぶさ
あおぶさ
リッターバイクへの乗り換えをお考えでしたら、ミドルクラスから始めてみると良いかもしれませんね
スズキ バイク ネイキッド SV650 パールグレッシャーホワイト/グラススパークルブラック

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簡単に曲がれてしまう

SSはサーキット走行を想定したバイクです。

それゆえか、他のバイクよりも簡単にコーナーを曲がれてしまいます。

こう言うと、あなたは「え、それって良いことなんじゃないの?」と思うかもしれません。

ですが、これって実は恐ろしいことなんです。

なぜなら、「(ライダーの技量が低くても)楽に曲がれてしまう」ことでライダーが調子に乗っちゃうからなんです。

カワサキのスポーツバイクのZX-10RR

簡単に曲がれてしまうと、自制心の無い人は調子に乗ってドンドン速く走ろうとします。

誰もいない私有地を走るなら問題ありませんが、これが公道だと話が違ってきます。

あなたも御存知の通り、公道は非常に恐ろしい場所です。

・見通しが悪い

・対向車線がある

・車が走っている

・自転車がいる

・歩行者がいる

・何が落ちているか分からない

etc・・・

挙げたらキリがないのでこの辺にしておきますが、危険なものが(ものすごく)多いです。

そんなところをドンドン速く走るのは自殺行為以外の何でもない・・というのは、あなたもよくご存知かと思います。

「曲がれるんだからガンガン行くぞ!」と速く走っていたらクルマが突然飛び出してきて、そのままドカン!!!・・なんてことになるのは、あなただってイヤですよね?

自動車 バイク 事故 正面衝突

もちろん、それなりにバイクに慣れていて、かつ自制心がある人なら話は別です。

ですが、バイクの基本が身に付いておらず、それにもかかわらず自制心がない人がリッターSSに乗るのは恐怖以外の何でもないんです。

リッターSSに乗る前に「バイクの基本」と「自制心」を身に付けましょう。

もっとも、これは他のバイクも同じなんですけどね。

あおぶさ
あおぶさ
最近のバイクは速くて曲がりやすいものが多いです。自制心を失わず、常に「二歩先」を見て走りましょう
スズキ バイク ネイキッド GSX-S1000 トリトンブルーメタリック

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ブレーキが効き過ぎる

さきほども少し触れましたが、SSはサーキット走行を想定して作られたバイクです。

それゆえか、ブレーキがよく効く、というか効き過ぎます(他のバイクと同じ感覚でブレーキを掛けると、前につんのめりそうになります)。

試乗会ではじめてリッターSSに乗った人の中には「ほんのちょっとしかブレーキを掛けてないのにないのに、前につんのめりそうになった・・」って人もいるのではないでしょうか。

あおぶさ
あおぶさ
「スズキ 隼」と同じ感覚でフロントブレーキを掛けたら、十中八九前にカックン!っとなるでしょうね・・
スズキ バイク メガスポーツ 隼 パールミラレッド パールグレッシャーホワイト

ここまで読み進めてくれたあなたなら気付いたと思いますが、リッターSSはアクセルと同様にブレーキにも繊細な操作が求められます。

さて、そんな繊細な操作が求められるブレーキで公道を走る自信はありますか?

車や自転車が飛び出してきても無事に止まれますか?

いきなりリッターSSで公道を走る前に、一度サーキットかどこかでリッターSSのブレーキを試してみてはいかがでしょうか?

もちろん、主催者側のルールに従い、安全に運転することが前提ですが。

あおぶさ
あおぶさ
当たり前の話ですが、試乗車はメーカー(またはバイク屋さん)の所有物です。やたらとアクセルを開けたり、無茶苦茶な運転はしないように(転倒してバイクが損傷したら、修理代を請求されますよ?)
ヤマハのスポーツバイクのYZF-R1M

価格が(非常に)高い

リッターSSは高価です。

特に、最近のリッターSSは200万円越えが当たり前になっています。

あおぶさ
あおぶさ
「ヤマハ YZF-R1M」にいたっては300万円を超えていますからね・・
ヤマハのスポーツバイクのYZF-R1M

仮に買えたとしても、廃車にならずに乗り続けられるのであれば問題ありません。

ですが、(ここまで何度もお話しした通り)リッターSSには「事故りやすい要素」がいーっぱいあります。

立ちゴケや(軽度の)走りゴケならまだしも、最悪の場合はバイクが廃車になることも考えられます。

さて、その200万円越えのバイクが一瞬で廃車になったとき、あなたの経済的・精神的・身体的な被害がどれだけのものになるか想像できるでしょうか。

あおぶさ
あおぶさ
SSの中には「・・・え?」と思うような価格のものもありますからね・・
バイク カワサキ リッターSS ZX-10RR

「初心者」「リッターSS」という二つの要因が重なったとき、廃車になるリスクは非常に高くなります。

もう一度言いますが、200万円超えのバイクが廃車になったとき、あなたはそれに耐えることができますか?

働いてコツコツとおカネを貯め、ようやく買ったバイクが一瞬で鉄クズになったとき、あなたは「まあ、こういうこともあるよね」と割り切ることができますか?

あおぶさ
あおぶさ
たまに「有り金は好きなモノに全部使え!」「好きなバイクは借金してでも買え!」とか言って焚きつけてくる人がいますが、仮にあなたが資産を失ったとしても、その人たちは一切責任を取りませんよ?
DUCATIのスポーツバイクのPanigaleV4S

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免許があるから大丈夫?本当ですか?

以上、初心者にリッターSSをおすすめしない理由をまとめました。

リッターSSに限った話ではありませんが、憧れ「だけ」でバイクを買ってしまう人が少なからずいます。

その結果、理想と現実のギャップに辟易して早々にバイクを手放したり、事故ったという事例がいまだに後を絶ちません。

憧れでバイクを買うことを否定するわけではありませんが、せっかくバイクを買ったのに早々に手放したり事故ったのでは本末転倒です。

意気込んでバイクを買う前に、一旦立ち止まって考え直してみませんか。

スズキ バイク リッターSS スーパースポーツ GSX-R1000 メタリックマットブラック

中には「せっかく大型免許を取得したんだからリッターに乗らないと!」と言う人がいます。

ですが、大型二輪免許を取得したからといって、無理にリッターに乗る必要はありません。

さらに言うと、いきなり大型ではなく、小型や中型に乗っても何の問題もありません。

別に「大型免許を取得したからにはリッターに乗らなければいけない」なんて決まりがあるわけではないので、それこそ最初のうちはリッター以下の排気量のバイクでも問題ないわけです。

リッターがどうこう以前に、まずはバイクそのものに慣れないとにっちもさっちも行きませんから。

スズキ バイク ネイキッド SV650 パールグレッシャーホワイト/グラススパークルブラック バイクを眺める人

大型二輪免許の取得が容易になったとはいえ、何だかんだでリッターSSは乗り手を選ぶんです。

いきなりリッターSSに乗りたいという気持ちは分かりますが、その前に「自分を知る」ことが大事です。

公道を走る以上、自分だけではなく周りにも被害を与えないようにする必要がありますから。

「リッターSSに乗りたい!」という気持ちは分かりますが、その前に「最低限の知識・技能」を身に付けませんか?

あおぶさ
あおぶさ
とりあえず、バイクの本を読んだり、オフロードコースを走ってみてはいかがでしょうか(オフ車をレンタルできるイベントもあるので、オフ車を所有していない人でも参加できますよ?)
モトクロスコース 泥道

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それでもSSに乗りたい場合は?

中には「どうしてもSSに乗りたい」「でも、いきなりリッターは怖い・・」という(良識のある)人もいることでしょう。

そういう人にはミドルクラスのSS、いわゆるミドルSSという選択肢もあります。

申し添えておきますが、ミドルクラスもメチャクチャ速いですよ。

あくまで「リッターSSほどではない」というだけであり、ミドルSSも十分過ぎるほど速いです。

どうしてもSSに乗りたいのであれば、ホンダ CBR600RRやカワサキ ZX-6RといったミドルSSも検討してみてはいかがでしょうか。

カワサキ バイク スーパースポーツ ミドルSS ZX-6R ライムグリーン エボニー メタリックグラファイトグレー

リッターにはリッターの良さがあるように、ミドルにはミドルの良さがあります。

リッターSSを検討するのは、ミドルSSに乗ってみてからでも遅くありません。

さきほども言いましたが、リッターSSに安全に乗り続けるには「最低限の知識・技能」が必要です。まずはこれを身に付けましょう。

他にも

・ミドルクラス(または中型・小型)のバイクで「バイクそのもの」に慣れる

・バイクの本を読む

・(可能であれば)オフロード走行やジムカーナもやってみる

といった方法もありますので、色々と試行錯誤しながら楽しみましょう。

これらの方法で少しづつ上達し、ゆくゆくはバイク初心者から脱出しましょう。

それでは、この辺で。

いつの日か、あなたがリッターSSだろうと何だろうと上手に扱えるほど上達していますように。

スズキ バイク リッターSS スーパースポーツ GSX-R1000 メタリックマットブラック バイクを眺める人

あなたがダートを走って「こんなはずでは」と思った部分こそ、バイクの本質である。

そんな体験をしたなら、あなたは幸せだ。

ちょっとくらい転んだっていいじゃないか。バイクに傷がひとつできる替わりに、何年もかかって気付くテーマを即座に見い出せる。

それまでの何倍もバイクが面白くなる。うまくもなる。

そしてこれは、安全走行にもつながる。警察の交通標語なんか知ったことではない。

うまいことが安全なのだ。すべてのライダーはうまくなろうと努力する義務がある。

ヘタクソは、危ないのだ。

(ベストライディングの探求 18ページ)

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