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突然ですが、あなたは250(ニーハン)に乗ったことがありますか?
排気量250ccクラスのバイクは扱いやすいモノが多く、幅広いユーザー層に人気です。
それゆえか、250は初心者向けのバイクとして紹介されることが多いです。
ですが、私はこの意見に懐疑的です。
むしろ、250は初心者におすすめできないバイクだと思っています。
そこで今回は「なぜ初心者に250ccクラスをおすすめできないのか?」をまとめました。
・これからバイクに乗ろうとしている人
・どんなバイクに乗ればいいか迷っている人
・車検がないバイクは維持費が安いと思っている人
の参考になれば幸いです。
一言で理由を言ってしまうと「整備をしないから」なのですが、それだけ車検と法定点検を混同している人が多いってことなのでしょうね。実に恐ろしい話ですが。
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車検が無い
あなたもご存じかもしれませんが、排気量250cc以下のバイクは車検がありません。
それゆえに、車検のたびに車検場に行ったり、バイク屋さんに代行してもらう必要がありません。
ところが、ここに大きな落とし穴があります。
たしかに、車検はありません。
ですが、法定点検があるので(車検があろうと無かろうと)点検整備をする必要があります。
公道で乗り物に乗る以上、たとえ車検がなくても点検整備をしなければいけません。
それにもかかわらず、「車検がない」を「整備しなくてもいい」と勘違いしている人がいます。
初心者も例外ではなく、乗ったら乗りっぱなしでまったく整備しない人(特に若年層)が多いです。
早い話、「整備しない人(整備しなくてもいいと勘違いしている人)が車検のないバイクに乗るってどうなのよ?」ってことですね。
余談ですが、実際にバイク屋さんも「車検とまでは言わないけど、250にも定期的な整備を義務付けてほしい」と言っていますし、結局のところ、それがバイク屋さんの本音なのでしょう。
実に恐ろしい話ですが、車検と法定点検を混同し、整備せずに乗っている人がそれだけ存在するってことですね。
もっとも、周りに「指摘してくれる人」がいれば話は別なのかもしれませんが。
そもそも「車検が無いバイクは維持費が安い」は誤解?
そもそも、「車検の有無」はバイクの維持費を大きく左右するわけではありません。
まずはじめに、車検の費用は「法定費用(重量税、印紙代、自賠責保険)」「点検整備費用」「代行手数料」で構成されています。
250cc以下のバイク、つまり車検がないバイクは「法定費用の一部(重量税、印紙代)」と「代行手数料」が不要なのは想像できるかと思います。
こう言うと「法定費用(重量税、印紙代)と代行手数料が不要なのは分かったけど、点検整備費用は?」と思うかもしれません。
ですが、さきほどもお話しした通り、車検が無いバイクでも法定点検はあります。
それゆえに、不具合がある箇所、または不具合を起こす危険がある箇所を発見したら整備する必要があります。
つまり、車検があろうと無かろうと、点検整備費用(部品代、修理代)は必要になるわけですね。
ついでに申し添えておくと、バイクの維持費は排気量だけでは一概に決まりません。
バイクの維持費の大半を占める点検整備費用、具体的に言うなら油脂や部品交換によって発生する費用は、バイクの車種、走行距離、走り方、保管状況で決まります。
たとえ車検が無いバイクでもロクに整備もせずに放置していたら点検整備費用は高価になりますし、たとえ車検があるバイクでもマメに整備していてかつ保管状況が良ければ点検整備費用はそこまで高価になりません。
早い話、法定点検を行っていれば維持費は(世間で言われているほど)大きく変わらないってことです。
いずれにしても点検整備は必要ですし、車検があるバイクにしたって「代行手数料が掛からない方法」がありますからね。
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状態の悪い中古車が多い
さきほども言いましたが、排気量250cc以下のバイクを「整備しなくてもいいバイク」だと勘違いしている人は多いです。
そういう事情からか、250の中古車は整備の行き届いていないモノがホントに多いです。
別に、250の中古車を買うこと自体を否定しているわけではありません。
あまりにも状態の悪い車輌なら買わなければいいし、その気があるなら(部品があれば)修理することだってできます。
もっとも、修理代(部品代、工賃)がいくらになるか分かりませんが。
ただし、それができるのは「異常を異常と見抜ける人」です。
はたして、右も左も分からない初心者が、異常を異常と見抜いたり、修理することができるでしょうか?
残念なことに、世の中には「タチの悪い中古車屋」がいます。
初心者、つまり右も左も分からない人に「状態の悪い中古車」を売りつけようとしてくるわけです。
そういう事情から、初心者は250の中古車に手を出さないことをおすすめします。
もっとも、すべての中古車がそうだとは限りませんし、数が少ないとはいえ「状態の良い中古車」もあるので一概には言えませんが。
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軽い・曲がりやすい・速い
250は軽くて曲がりやすいです。
すべての250がそうだとは言いませんが、総じて軽くて曲がりやすいモノが多いです。
さらに、250はクルマと同じスピードで走ることができるくらい速いです。
つまり、250は総じて「軽い・曲がりやすい・速いバイク」だと言えます。
こう言うと「それって良いことなんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんね。
たしかに、それなりの経験と知識がある人が乗るなら何の問題もありません。
バイクの性能を過信することもなく、事故らず安全に走り続けることができるでしょう。
ですが、初心者の場合はどうでしょう?
経験と知識が浅く、ひょっとしたら自制心を保つことすらできない人が「軽い・曲がりやすい・速いバイク」に乗った場合(しかも公道で)でも、はたして同じことが言えるでしょうか?
ラクに曲がれるバイクって、実は恐ろしいんですよ。
言い方は悪いですが、ライダーがいい加減でも曲がれてしまうんですから。
もちろん、経験と知識、自制心を持ち合わせている人なら無謀な運転はしないでしょう。
くどいですが、初心者の場合はどうでしょう?
ひょっとしたら、公道という危険な場所を走るにもかかわらず、(カンタンに曲がれてしまうのをいいことに)調子に乗ってドンドン速く走っていたら、クルマやガードレールにドカン!!!・・・なんてことにならないでしょうか?
「カッコいいバイクに乗りたい」って気持ちはよく分かります。
ですが残念なことに、250に乗った初心者による事故はいまだに後を絶ちません。
公道はあなただけのモノではありません。
それゆえに、「趣味なんだ、オレ(ワタシ)の自由だろ!」なんてワケにはいかないんです。
おせっかいかもしれませんが、まずは原付二種、または車検のあるバイクで「バイクの基本」を学びませんか?
バイクを買ったはいいけど、ムチャクチャな運転が原因で事故ってしまったらそれこそ本末転倒ですからね。
もっとも、これは250に限った話ではないのですが。
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まとめ
以上、初心者に250をおすすめできない理由をまとめました。
くどいようですが、250は整備しなくてもいいバイク(そもそも、そんなバイクはどこにも存在しませんが)ではありません。
車検がどうこう以前に、公道を走る以上は点検整備をする必要があるし、周りを事故に巻き込まないよう配慮する必要があります。
もっとも、誰もいない私有地を走る、または床の間に飾っておくのであれば話は別ですが。
最初の方でも言いましたが、公道と教習所はまったく別の世界です。
免許取得はあくまでスタートラインに立ったのに過ぎず、免許取得後も経験や知識を蓄える必要があります。
ところが残念なことに、「250は車検がないから手軽に乗れる」とか「250は維持費が安い」という言葉を(自分に)都合よく解釈している人がホントに多いです。
「点検」や「整備」といった面倒ごとから逃げた方がラクなのかもしれませんが、整備不良が原因でバイクが故障したり事故ってしまったら、それこそ元も子もないのではないでしょうか。
早い話、「車検がない = 点検整備を怠っても誰も指摘してくれない」ってことなんです。
つまり、点検整備を怠って故障しても自己責任だし、整備不良が原因で事故っても自己責任ってことになっちゃうわけです。
最低限の点検整備ができる人にならまだしも、そんな自己責任論を初心者(右も左も分からない人)にまで押し付けるのは如何なものかと思いますし、ましてや「250は車検がないから手軽に乗れる!」なんて言うのは言語道断ですよね(恐ろしいことに、メディアが平気で言っていることがある)。
そういう理由から、安易に250を初心者に推薦するのはおすすめできません。
さきほども言いましたが、バイクが故障したり事故ってしまったら元も子もありませんから。
とはいえ、「どうしても250に乗りたい」「そもそも車検があるバイクの中に(自分が)乗りたいバイクがない」という人もいることでしょう。
どうしても250に乗りたいのであれば、
・こまめに点検整備をする
・「クルマはこっち(バイク)を見ていない」と心得る
・常に「どんな危険が潜んでいるか?」を意識して運転する
・ライディングテクニックや点検整備に関する知識を蓄える
を心がけましょう。
上記の「知識を蓄える」というのは「ネットで調べる」「本を読む」「分からないことがあったらバイク屋さんに聞いてみる」のことです。
その際、バイクの専門書を読んだり、バイク屋さんに指摘してもらったことで得たものが、経験・知識として蓄積されます。
こうして蓄積された経験と知識はあなたの財産になりますし、何よりあなたのバイク生活がより一層楽しくなります。
まあ、ホントのことを言うと、メディアや教習所がそういうことを教えてくれたら親切なんですけど、実際そうはいかないんですよね。
というわけで、公道を安全に走るためにも、そしてあなた自身がバイク生活を楽しめるようになるためにも、経験と知識を日々蓄積していってくださいね(なお、ネットだけで調べるのは止めておきましょう。ネットは嘘か真か分からない情報も多いので)。
それでは、この辺で。
あなたが排気量問わずどんなバイクに乗っていようと、事故せず、怪我せず、違反せず、壊さず、ずーっとバイク生活を楽しめますように。
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