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突然ですが、あなたは「皮むき」をしていますか?
新品のタイヤは皮むきが必要です。新車にならし運転が必要なように、タイヤを新品に交換したらといって、いきなり普段と同じ感覚で走れる・・・わけではありません。
エンジン等と違い、寿命には影響しませんが、新品のタイヤは非常に滑りやすいです。
なので、滑って転びたくないのであれば皮むきをする必要があります。
とはいったものの、中には「皮むきって何?」「というか、何すればいいの?」と思う人もいるかもしれません。
そこで今回は、バイクのタイヤの皮むきの方法を書きました。
タイヤを交換する予定(あるいは、既に交換済)の人、皮むきの方法を知りたい人の参考になれば幸いです。ぜひご一読を。
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はじめに
まずはじめに、バイクのタイヤの皮むきとは一体何ぞや?についてお話しします。
あなたは「皮むき」と聞いたとき、どんな方法が思い浮かびましたか?
ひょっとしたら、「8の字走行をする」「コーナーを何度も何度も曲がる」といった方法を思い浮かべた人もいるのではないかと思いますが、これだけでは不十分です。
たしかに、バイクをバンクさせる(傾ける)ことで、タイヤの面(厳密にいうと、トレッド)は路面に接触します。
これにより、路面と接触した部分の硬化防止剤を削り落とすことができる・・・というわけですね。
ですが、これでは路面と接触していない部分はそのままです。
もし、雨の日(路面が濡れているとき)に、硬化防止剤が残っている部分が路面に接触するとタイヤがツルっと滑るおそれがあります。
つまり、硬化防止剤が残っている状態で走ったら、雨の日のカーブでタイヤが滑ってガシャン!!!・・ってことになっちゃうわけです。これは怖いですよね。
ここまでの話で気付いた人もいるかと思いますが、皮むきとは「8の字走行をする」「コーナーを何度も何度も曲がる」ではなく「タイヤの表面の硬化防止剤を落とすこと」です。
というわけで、次から皮むきの方法をご紹介します。
用意するもの
用意といっても、特別な道具を用意する必要はありません。
用意するのは「タワシ」「クレンザー」の二つだけです。
どちらも100円ショップで売っているもので十分ですので、もし手元にないのであれば用意しておきましょう。
タイヤの皮むきの方法
タイヤの皮むきの方法は至って単純で、タワシにクレンザーを付けて磨くだけです。
さっそくタイヤを磨いてもいいのですが、その前に確認しておくことがあります。
まず、タイヤに水を掛けてください。
ホースでも如雨露(じょうろ)でも構いませんので、タイヤの表面に水を掛けてみてください。
水を掛けてみると分かりますが、新品のタイヤは表面の水が弾かれているのが確認できるはずです。
「なんで水が弾かれるんだ?」と思うかもしれませんが、それは「タイヤの表面に硬化防止剤が残っているから」です。
このように、水を掛けてみることで「硬化防止剤が残っているか?」を確認することができるわけですね。
硬化防止剤の有無が確認できたら、タイヤの表面を磨きます。
タワシにクレンザーを付け、タイヤの表面をゴシゴシと磨きましょう。
クレンザーを付けてタイヤを磨くと、黒い泡が出るのが確認できるかと思います(写真では少々分かりづらいですが、泡が黒みを帯びているのが確認できますね)。
「なんで黒い泡が出るのか?」というのは、ここまで読み進めてくれたあなたならもうお分かりですよね?
そうです、硬化防止剤です。泡が黒くなるのは、磨き落とされた硬化防止剤が泡に含まれているからです。
つまり、タイヤを磨いて黒い泡が出たら「硬化防止剤が残っていた」ってことになりますね。
タイヤを磨いたら、ふたたびタイヤに水を掛けてみましょう。
タイヤの硬化防止剤が落ちているのであれば、今度は水が弾かれないはずです。
一部分を磨いたら、バイクを前後に押し引きして(タイヤを回転させて)他の部分を磨きましょう。
タイヤの表面(全周)を磨き終え、硬化防止剤が落ちていることを確認できたら作業終了です。おつかれさまでした。
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オフロードバイクのタイヤの場合は?
オフロードバイクのタイヤの場合も同じです。
オンロードのタイヤと同じように、クレンザーを付けたタワシでタイヤを磨きましょう。
タイヤを磨き、水を掛けて「硬化防止剤が落ちていること」を確認し、バイクを押し引きしてタイヤを回転させて磨いて・・・というのは、オンロードのタイヤの場合と同じです。
タイヤの表面(全周)を磨き終え、硬化防止剤が落ちていることを確認できたら作業終了です。おつかれさまでした。
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新品のタイヤも「ならし」が必要
以上、バイクのタイヤの皮むきの方法を書きました。
タイヤの硬化防止剤を落としておけば、少なくとも新品のようにツルツル滑ることもなくなりますし、雨の日のカーブでタイヤが滑ってガシャン!!!・・ってことを必要以上に恐れることもなくなるわけです。もっとも、雨の日に好き好んで走りに行く人なんていないと思いますが。
それと、皮むきが終わったからといって、いきなり普段と同じように走ってはいけません。
新車にならし運転が必要なように、新品のタイヤにも「ならし」が必要です。
タイヤの硬化防止剤を落としたとしても、タイヤとホイールの接触面はまだなじんでいませんから。
とはいえ、特別難しいことをする必要はありません。
することは至って簡単で、タイヤを交換したら30~100kmくらいは急激な加減速や深いバンクはしない。これだけです。
早い話、「タイヤを換えてしばらくの間はゆっくり走ってね」ってことですね。もっとも、新品のタイヤで急激な加減速や深いバンクをする人はいないと思いますが。
それと、中古車を買ったときもタイヤの皮むきをしておくことをおすすめします。
すべての中古車がそうだとはいいませんが、タチの悪い中古車屋が(古くなって細かいヒビの入ったタイヤをごまかすのに)タイヤワックスを塗っていることがあります。
※このタイヤワックスなるケミカルですが、バイクをどこかに展示するつもりでもないなら使用は控えましょう。滑りますから。
タイヤは生ものです。たとえ、スリップサインが顔を出していなかったとしても、年数が経てば使えなくなります(作られてから3年以上経過していたら交換することをおすすめします)。
とはいえ、タイヤを交換したらお金が掛かるし、古くなってヒビが入ってると誰も買わないし・・・そうだ、タイヤワックスを塗ってごまかそう!ってことでタチの悪い中古車屋が重宝しているわけです。もっとも、ユーザーからしたら「そんなもん塗るな!」って話でしかないのですが。
そういう理由から、中古車を買ったときも「前の持ち主が皮むきとならしをしているだろう」と安心せずに(むしろ中古こそ信用できないので)、皮むきとならしをすることをおすすめします。
せっかくバイクを買ったのに、出先でタイヤが滑ってガシャン!!!・・ってことになったら笑うに笑えませんからね。
それでは、この辺で。
あなたがタイヤ交換後も、ずーっとバイク生活を満喫し続けることができますように。
最後にもう一つ。
皮むきとならしが終わったら、もう一度タイヤの空気圧を測っておきましょう。
あなたもご存知の通り、タイヤはゴムで出来ています。
なじめばゴムは伸びますし、空気圧も下がるはずです。
そうでなくてもタイヤの空気圧は(たとえパンクしていなかったとしても)自然と下がりますし、気付いたら「あれ、タイヤの空気圧全然足りないぞ?」ってこともザラにあります。
もしタイヤゲージ(と空気入れ)を持っていないのであれば、この機会に用意しておきましょう。
タイヤの空気圧が変われば走りも変わりますし、空気圧を測る道具と「タイヤの空気圧は走りをどう変えるのか?」という観点があれば、バイクに乗ることがさらに面白くなりますから。
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