メンテナンス

「今のバイクに飽きた」「カスタムしたい」「買い換えたい」と思っているあなたへ

カワサキ バイク リッターSS ZX-10R グリーン

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人間は基本的に何にでも慣れます。

バイクも同じで、免許取りたての頃はビクビクしながら乗っていたとしても、数年も走り続けていると(必要以上にビクビクすることもなく)フツーに走れるようになります。

フツーに走れるようになると、今度は「なんか今乗ってるバイクはイマイチなんだよなぁ」「カスタムしようかな」「いっそのこと、バイク自体を買い換えるのもアリかも」なんてことを言い始め、あれこれとカスタムしたり、中には本当にバイクを買い換える人もいます。

ひょっとしたら、あなたも同じことを考えているのかもしれませんが。

カワサキ NinjaH2 CARBON 第35回大阪モーターサイクルショー2019 インテックス大阪

そこで今回は、カスタムやバイクの買い換えを考えているあなたにいくつかの提案があります。

他にも「バイク生活がマンネリしてきた」「何か走りが変わる面白いものを探している」という人の参考になれば幸いです。ぜひご一読を。

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点検・整備してみる

まずはじめに、あなたのバイクが本来の乗り味を味わえる状態なのかどうかを確認しましょう。

「本来の乗り味を味わえるか?」ってのは、最高出力や最大トルクが云々って話ではなく「整備が行き届いており、フツーに安全に乗れる状態なのか?」ってことです。

当たり前の話ですが、整備が行き届いていないと(そのバイクが本来持っている)性能を発揮できませんし、そんな状態ではバイク本来の乗り味が味わえません。

たとえば、タイヤが古くなって硬化していたらまともにグリップしませんし、空気が足りなかったらまともに走らないのは、想像に難くないですよね?

たとえば、ブレーキパッドが薄くなったらブレーキの効きは悪くなりますし、それこそ摩耗限界線が見えるほど薄くなっていたらどうなるかは、簡単に想像できますよね?

バイクのブレーキパッドの摩耗限界線 イラスト

たとえば、エンジンオイルを定期的に交換していないと「エンジン内の部品同士の潤滑」「エンジンの冷却」「混合気や燃焼ガスの密封」「(部品の摩耗により発生した)金属粉の洗い流し」「部品の防錆」ができなくなりますし、交換せずに放置していたらエンジンが壊れてしまいますよね?

たとえば、ドライブチェーンが錆びたり固まったりしていたら(エンジンの)動力がうまく伝わりませんし、スプロケットがノコギリの刃みたいになるまで摩耗していたらそのうちチェーンが外れて・・なんてのは、想像するだけでもゾッとしませんか?

バイクのスプロケットの歯先の「正常」と「異常」を比較した様子 イラスト

あれこれ挙げだしたらキリがないのでこの辺にしておきますが、日頃から整備(おかしい箇所を直す)をしていないと本来の乗り味は味わえませんし、ヘタしたら安全に走ることすらできない、ってのは分かっていただけたかと思います。

カスタムや買い換えをどうこう言う前に、まずはバイクを点検してみましょう。

ひょっとしたら何かおかしい箇所があって、本来の乗り味が味わえない状態なのかもしれませんよ?

あおぶさ
あおぶさ
基本的なところがきちんとしていないのにカスタムしても意味がありませんからね
バイクのチェーンとディスクローターが錆びている様子

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消耗品を換えてみる

ここで言う「消耗品」とは、タイヤやブレーキパッドやエンジンオイルといった部品のことです。

これらの部品は、走っていたら(あるいは一定の年数に達したら)いずれは交換する必要がある部品です。

そこで「じゃあ、いつもので」なんて言って同じものばかり使うのではなく、前回と違う種類のものを使ってみることをおすすめします。

バイク タイヤ DUNLOP α-14

特におすすめなのがタイヤです。

タイヤはどれもこれも同じように見えますが、メーカーや銘柄によってトレッドパターン、プロファイル(断面形状)、ゴムの材質が違います。

たかがタイヤ・・なんて思うかもしれませんが、タイヤが変わるだけでも走りやすさや曲がりやすさが一変します。

せっかく換えるのですから、この機にまったく違ったタイヤを使ってみませんか?

走りの変化が楽しめますし、色んなタイヤを使い比べてみるのも面白いですよ?

あおぶさ
あおぶさ
プロファイルにしたって、メーカーや銘柄によって違いますからね
バイク タイヤ プロファイル シングルR ダブルR イラスト

また、あなたのバイクがバイアスタイヤ・ラジアルタイヤの両方使えるのであれば、さらに選択肢が広がります。

中型、特に250ccクラスはバイアスタイヤが標準装備になっている車輌が多いですが、もし適合するタイヤがあるのであれば「今回はラジアルタイヤを使う」って手もあります。

ラジアルタイヤは高価だから・・なんて言って躊躇う人もいるかもしれません。

ですが、ラジアルタイヤはグリップが良いし、それだけでも乗り心地がグッと良くなることもあります。

もし、バイアスタイヤばかり使っているのであれば、今回はラジアルタイヤを使ってみませんか?

違ったタイヤを使い比べることで「自分はどんな走りがしたいのか?」が見えてくるかもしれませんよ?

バイク タイヤ コード コード層 カーカス 説明 イラスト
あおぶさ
あおぶさ
適合するタイヤがあれば「ラジアルタイヤ→バイアスタイヤ」も可能ですね
バイク タイヤ バイアスタイヤ ラジアルタイヤ 構造 説明 イラスト

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モードを変えてみる

バイクの中には、エンジンの出力特性を「モード選択」によって切り替えることができる車輌が存在します。

それらの車輌は、エンジンの出力特性を切り替えることにより、普段とは違った乗り味を楽しむことができます。

普段とは違った乗り味を・・って話になるとカスタムを考える人もいます。

ですが、自分のバイクにモード選択の機能があることを忘れている人も多いのではないでしょうか。

カスタムしてみたい気持ちも分かりますが、既に出力特性を切り替えることができる機能が付いているのですから、この機に使ってみませんか?

カスタムと違い、こっちはボタン一つでいつでも元に戻せるのですから、試してみるのもアリだと思いますよ?

あおぶさ
あおぶさ
普段からAモードを使っていたら「こんなに開けて大丈夫なんだろうか?」と一瞬戸惑うかもしれませんが・・
バイク スイッチボックス ボタン モードセレクター

いつもと違う場所を走ってみる

人は本質的に、いつもと同じことばかりをやりたがりがちです。

バイクに関しても同じで、どこかを走るにしても同じ場所ばかり走っている人も多いのではないかと思います。

そこで、ほんのちょっとだけ遠出して「いつもと違う場所」を走ってみることをおすすめします。

ミツバサンコーワのETC車載器

たとえば、高速道路を使えば他の県に行くことも可能ですし、そこにフェリーが加わればさらに選択肢が広がります。

高速道路(あるいはフェリー)はお金が掛かるから・・なんて言って、結局下道で無理なく行ける場所ばかり走っている人も多いのではないでしょうか。

なるべくお金を使わずに走りたいって気持ちはよく分かりますが、だからといって同じ場所ばかりを走るのももったいない話です。

いきなり「フェリーに乗ってうーんと遠い場所へ!」なんてことをする必要はありませんが、ちょっとだけでもいいので遠くへ行ってみませんか?

そうやって色んな場所を走ることで「自分がバイクに求めているものは何か?」が見えてくるかもしれませんよ?

駐車場に停まっているバイク

また、「いつもと違う場所」というのは道路に限った話ではありません。

サーキットを走る。ジムカーナに参加する。あるいはオフ車に乗ってモトクロスコースを走る。

見方を変えれば、これらだって「いつもと違う場所」です。

こういったイベントは年中どこかで開催されていますので、サーキットの公式サイトやバイク雑誌で確認してみましょう。

ジムカーナ バイク 泉大津フェニックス
あおぶさ
あおぶさ
イベントの中には「オフロードバイクが用意されている(レンタルできる)イベント」もありますので、オフ車を持っていない人でも参加できますよ?
オフロード モトクロスコース

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タイヤの空気圧を変えてみる

どこか遠くに行くこともなく、手っ取り早く走りを変えたいのであれば、タイヤの空気圧を変えてみては如何でしょうか。

たとえば、タイヤの空気圧を前後とも(指定空気圧より)高くすると「取り回しが軽くなる」「倒し込みが軽くなる」といった変化があります。

また、タイヤの空気圧を前後とも(指定空気圧より)低くすると「グリップ感が増す」「ハンドルの手応えが増す」といった変化があります。

バイク スイングアーム タイヤの空気圧の表記

他にも、前輪のタイヤの空気圧が高いと「ハンドルが軽くなる」「前輪が跳ねる」といった変化があり、低いと「極低速で安定する」「ハンドルが重たくなる」といった変化があります。

その他にも、後輪のタイヤの空気圧が高いと「倒し込みが軽くなる」「グリップ感が薄くなる」といった変化があり、低いと「グリップ感が増す」「腰砕け感が出る」といった変化があります。

このように、タイヤの空気圧を変えることで走りの変化を味わうことができます。

しかも、道具(タイヤゲージと空気入れ)さえあればタダでできて、もし気になることがあった(あるいは、あれこれ変えているうちに訳が分からなくなった)としてもいつでも元に戻すことができます。

もし「あれこれカスタムする気もないし、遠出する気もない」というのであれば、タイヤの空気圧を変えてみませんか?

タイヤの空気圧を変えることで(たとえ、いつも走っている場所を走るのだとしても)走りに対する考えが大きく変わるかもしれませんよ?

あおぶさ
あおぶさ
アナログ式でもバー式でも構いませんので、まずはタイヤゲージ(それと、空気入れ)を用意しておきましょう
バイク用タイヤゲージ アナログ式 バー式

プリロードを調整してみる

すべての車種に備わっているわけではありませんが、バイクのフロントフォークとリアショックアブソーバーにはプリロード調整機能があります。

プリロードとは、フロントフォークおよびリアショックアブソーバーのバネをあらかじめ縮めておく量のことです。

この量を調整することで、乗り心地を変えたり「突き上げ」「底付き」といった不満を解消することができます。

もっとも、「突き上げ」「底付き」といった不満を解消できるのは「プリロード調整の範疇を超えなければ」の話で、もしプリロードの調整だけで解消できないのであれば、バネを換えたり、場合によってはダンパーをOH(オーバーホール)する必要があるわけですが。

※OH(オーバーホール):装置を分解・洗浄・点検・部品交換・組立・調整等をして正常な機能にすること。

イラスト 説明 バイク リアショックアブソーバー プリロード調整 アジャストリング バネ

タイヤの空気圧と同じように、プリロードも道具さえあればタダでできて、何か気になることがあったとしてもいつでも元に戻すことができます。

「タイヤの空気圧を変えるのは飽きた」と言うのであれば、今度はプリロードを調整してみませんか?

プリロードの調整を通じて「へぇー、プリロードを抜いたら(あるいは、掛けたら)走りはこう変わるのね!」ってのを実感することで、今までとは違った観点で走りを楽しめるかもしれませんよ?

もっとも、すべての車種にはじめから調整機能が備わっているわけではなく、車種によってはトップキャップやリアショックアブソーバーを調整機能付きのものに交換するところから始める必要があるわけですが。

イラスト 説明 バイク 調整機能付きリアショックアブソーバー 調整機能付きトップキャップ カラー プリロード調整 社外品

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最後に

以上、今のバイクに飽きてきてカスタムや買い換えを検討している人に向けた提案でした。

基本的にそこまでお金を使わないものばかりですが、色んな発見や変化を楽しむができるので飽きることはないかと思います。

特にタイヤの空気圧とプリロードの調整は、手を出し始めるとあれこれとこだわるようになり、人によっては飽きるどころか泥沼にハマっていくかと思いますが(もし泥沼にハマって訳が分からなくなったら、一旦元に戻しましょう。チンプンカンプンなのにあれこれイジってたら、ますます泥沼にハマりますから)。

スズキ バイク 隼 プリロードアジャスタ トップブリッジ 調整 コンビネーションレンチでプリロードアジャスタを回転させている様子

今乗っているバイクに飽きた、いわゆるマンネリ化の打開策として(多額のお金をつぎ込んで)カスタムや買い換えを検討する人はけっして少なくありません。

ですが、大枚をはたいてパーツを買ったりバイクを買い換えたとしても、時間が経てばそれにも慣れますし、数年後には再びマンネリ化します。

そうならないためにも、まずは自分自身が変化を楽しめるようになるのが先ではないでしょうか。

カワサキ ZX-10RR 第35回大阪モーターサイクルショー2019 インテックス大阪

「目新しいものが欲しい!」って気持ちは分かります。

ですが、時間が経てば結局それらも「当たり前」になってしまいますし、それこそ新しいパーツや新型バイクが出るたびに買っていたらお金がいくらあっても足りません。

まずは「(なるべくお金を掛けずに)変化を楽しむ方法」を考えてみませんか?

カスタムや買い換えを検討するのはそれらの方法を試してからでも遅くないですし、あなたが今乗っているバイクだってせっかく(しかも、けっして安くない)お金を出して買ったものなんでしょう?って話です。

カワサキ バイク リッターSS ZX-10R グリーン

それでは、この辺で。

あなたが、不況だろうと好景気だろうと関係なく、いつまでもずーっとバイク生活を楽しんでいられますように。

カワサキ バイク リッターSS ZX-10R グリーン バイクを眺める人

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